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兼子 正勝

兼子 正勝

KANEKO Masakatsu

メディアコミュニケーション学講座
メディアコミュニケーション学講座(専攻) 教授

研究内容

フランスを中心とした現代思想・現代文学の研究から出発して、現在はおもに、哲学から文学・映像を横断するかたちで、「イメージ=映像」の思考と実践のあり方を研究テーマとしている。

長いあいだ「イメージ=映像」は、「現実とちがうもの」と定義されてきた。それはギリシア・ローマの古代哲学ですでにそうだったが、とくに19世紀から20世紀前半の芸術・思想運動(ロマン主義からシュルレアリスム、サルトルまで)は、「現実」から人間が自由であるための力として「イメージ/イマジネーション」を賛美した。

「映像文化」が大きな力を持っている現在、その「映像」がともすれば「現実」から遊離した、閉じた世界をつくる方向にむかってしまうのは、このような思考の流れが無批判に継承されているからだとも言える。

他方、20世紀後半の思想家たちや映像作家たちのなかには、「イメージ=映像」を何とか「開かれたもの」にしたいと努力した人たちがいる。あらゆる人間は言葉やイメージを使って思考し表現する。だとしたら、その言葉やイメージが、ほかの人間たちやまわりの現実に触れあわないのは奇妙である。「イメージ=映像」をリアルなものに接続しなおすこと。「イメージ=映像」を、そこで何かと何かが関係しあう場所としてつくりあげること。こうした方向でものを考え、作品をつくっている人たちがいる。

こうした人たちの思考と実践を浮かびあがらせ、それを現代のなかに正しく位置づけることが兼子の現在の研究テーマである。

研究室

兼子自身は映像理論を研究の柱の一つにしていますが、研究室としては、映像以外のメディア全般についての理論的研究、さらには実際的なメディア制作(ビデオ、CG、コンピュータ映像など)もおこないます。

「人間コミュニケーション学科」は、メディアやネットワークの技術革新によって変貌する社会を、科学技術と人間・社会に関する文化的理解の両面から研究・教育しようとする学科です。たとえば映像に関してもCGなどの技術面と、映像の美的センスや社会的意味などの文化面を両方理解することで、はじめてクリエイティブな仕事ができます。兼子研究室では、このような「技術と文化」両面に通じた人材を育成したいと考えています。

研究例1:現代のメディアの総合的研究

コンピュータ映像やネットワークによるメディア技術の変化が、人間の心理や社会をどう変えているのかを研究する。現代のメディア理論を理解したうえで、兼子研究室及び電気通信大学全体の環境を生かして、技術面からもメディアの現在を考察する。

研究例2:現代映像論

映画、TV、ビデオアート、ゲームなど、多様な分野における現代の映像のあり方を、主として文化的な面から研究する。たとえば、現代の映像作品においては「リアリティ=現実性」がどのように考えられているか。CGは本当に「リアル」なのか。「リアル」なのは人間や人間の感情(恐怖、触れあい)なのではないか、など。

研究例3:映像のモンタージュ技法の理論と実践

映像の多くはカットとカットをつなぎあわせることで、つまり「モンタージュする」ことで作られている。「モンタージュ」に関して、主として映画の領域で積み重ねられてきた理論を整理しながら、実際にビデオ編集などの映像制作をおこなうなかで、実践的にも「モンタージュ」の技法を研究する。

研究例4:メディア・アート制作

CG、画像処理、コンピュータによるビデオ編集などの技術を使って、実際に映像作品を制作する。

キーワード

イメージ、映像、メディア、現代文化

プロフィール

1953年山形県生まれ。東京大学文学部仏文専攻博士課程中退、パリ第10大学文学博士。趣味:映画(学生時代は8mmで映画を撮っていました)、料理(フランスで3年修行しました)、ジョギング・水泳(沈滞ぎみです)、座禅(月に1度お寺に行きます)、動物(猫16才、金魚5才、メダカ-増殖中)。

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